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性器ヘルペス

性器ヘルペス01

男性の性器ヘルペス感染症

性器ヘルペスは、性器の単純ヘルペスウイルスherpes simplex virus(HSV)1型または2型の感染症で、外陰部に小水疱、びらんを形成する疾患です。HSVは感染後、感染部位の末梢神経から進入して、腰仙髄神経節に潜伏感染します。潜伏感染したHSVは何らかの誘因によって再活性化し、神経を通って粘膜や皮膚に達し、その部位に病変を形成します。


そのため再発がよく見られ、臨床的には初感染初発型、潜伏ウイルスの再活性化による再発型、免疫抑制剤の使用などにより免疫抑制状態になったとき、潜伏ウイルスにより初めて病変が生じる非初感染性初発型(誘発型)に分類されます。

男性の性器ヘルペスの症状

性器ヘルペスは、感染後2〜10日から軽いかゆみを感じるようになり、次第に痛みが増してきます。亀頭、陰茎、陰嚢部、肛門周囲に小水疱が見られ、腫脹が認められます。小水疱は、すみやかにびらんになり、不規則な形を呈します。さらに、リンパ節の腫脹、排尿時の痛みや排尿困難が伴います。潰瘍は2〜6週間で自然治癒します。ごくまれに、項部硬直、羞明、頭痛を伴う無菌性髄膜炎や、ウイルス血症を生じ全身感染を起こすことがあります。

男性の性器ヘルペスの再発

再発型の場合は、男性では亀頭を除く陰茎部に好発し、一般には症状は軽く、限局性に発症します。4日〜2週間で治癒します。腰痛、下肢のしびれ感など再発の前駆症状が数日前より起こります。また、殿部、まれには足底に再発型として発症する事もあります。

男性の性器ヘルペスの感染

性器ヘルペスは主に性行為または類似の行為で感染します。HSV-1の初感染はオーラルセックスによる感染が多く見られます。また無症候性ウイルス排泄がみられ、感染源と考えられる約70%の性行為パートナーが無症状であるといわれていますので、市販の検査キット などを使用しこまめに検査しましょう。

男性の性器ヘルペス感染症の診断

クリニックなどでの 診断は、外性器の臨床症状(初めての潰瘍性または水疱性病変)および病変部からのHSV抗原検出によってなされます。ヘルペスウイルス検出の検査は、ギムザ染色による顕微鏡検査、特異抗体によるウイルス抗原の検出、ウイルス遺伝子検出、ウイルス分離、血清学的検査によって行われます。

男性の性器ヘルペスウイルス感染症の治療と予防

できるだけ早期に十分の量の抗ウイルス薬(アシクロビル、パラシクロビル、ビダラビン)を投与します。初感染の場合、軽症、中等症の場合は内服で、重症および免疫不全の場合には点滴による投与を行います。再発型の場合、軽症の場合抗ウイルス薬軟膏の塗布また貼付で行われる場合もありますが、それ以外は内服による投与を行います。アシクロビル耐性株の場合は、ビダラビン、フォスカーネットの点滴を行います。


潜伏感染したヘルペスウイルスは抗ウイルス薬が効かず、一応治癒しても再発を繰り返します。したがって、再発抑制のための継続投薬すなわち抑制療法が行われます。一方、固定したカップル間での感染率は1年間に約10%といわれており、パートナーの追跡調査も必要になります。

女性の性器ヘルペス感染症

ヘルペスウイルスは性器皮膚粘膜に感染すると、知覚神経を伝って仙髄神経節に至りここで潜伏感染します。潜伏しているヘルペスウイルスは時々再活性化され再び神経を伝って外陰部に水疱性、潰瘍性病変を作りますが、病変を作らず性器に排出されることもあります。初感染の場合、70%は無症候性ですが、症状が出る場合には強い症状が出ることが多く、再発型では症状は一般的には軽くなります。


感染は性器間のみでなく、口を介した感染例もしばしば見られます。

女性の性器ヘルペス感染症の分類

性器ヘルペスウイルス感染症では、初感染による発症、再発による発症に加え、始めて症状が出た場合でも、無症候のうちに感染し潜伏感染していたヘルペスウイルスが免疫抑制など何らかの刺激で再活性化して症状が現れる場合があります。そのため性器ヘルペスは、初感染初発型、再発型(潜伏ウイルスの再活性化による)、非初感染初発型(誘発型:無症候感染による潜伏ウイルスの再活性化による)に分類されます。初感染初発と非初感染初発は発症時の血清抗体検査で鑑別ができます。(初感染初発では陰性ですが非初感染初発では陽性となります)

女性の性器ヘルペス感染症の症状

初感染初発型の症状

感染から2-21日(3-7日が多い)の潜伏期間の後、強い痛みを伴って発症します。痛みが現れる前に、かゆみや不快感などの前駆症状がある場合もあります。発症すると強い痛みのため、排尿困難、歩行困難を呈し、入院が必要になることもあります。


性器の症状は、水疱性または浅い潰瘍性病変で、大陰唇、小陰唇、会陰部に多発します。鼠径リンパ節の腫脹(はれ)と痛みが大部分の例で認められ、発熱、頭痛、倦怠感などの全身症状を伴うこともあります。また、強い頭痛、首筋の硬直、羞明感(まぶしく感じる)、尿閉や便秘などの性器以外の症状が合併する場合もあります。

非初感染初発型の症状

症状がなく潜伏感染していたヘルペスウイルスが、全身あるいは局所の免疫抑制状態になったとき再活性化されて病変を形成します。免疫抑制状態は、抗がん剤、副腎皮質ホルモン剤などの投与、放射線照射、手術などによることがほとんどですが、心身の疲労などが原因になることもあります。


またHIV感染者、AIDS患者では免疫能低下とともにヘルペス性病変が見られるようになることが知られています。免疫抑制の程度により、病変の広さ、治癒期間が変わってきます。

再発型の症状

潜伏感染しているヘルペスウイルスの再活性化により繰り返し再発することが特徴です。症状は比較的軽く、多くは1週間以内に治ります。病変は小さい潰瘍性病変、多数集まった小水疱で、だいたい同じ部位に現れます。再発は、心身の疲労や女性の場合月経が契機となります。再発の回数は様々です。

女性の性器ヘルペス感染症の診断

診断は臨床症状と、実験室的検査によって行われます。典型的な場合は臨床的に診断ができますが、鑑別が必要な場合は病原診断を行います。病原診断法には、培養法、蛍光抗体法がありますが、保険で行えるのは蛍光抗体法のみです。初感染急性期には血清抗体は陰性であるため、血清診断は原則として困難です。

性器ヘルペスの垂直感染

単純ヘルペスウイルスは経産道感染により垂直感染を生じます。特に分娩時に性器ヘルペスを発症すると新生児ヘルペスを起こす可能性が高く、その死亡率は20-30%とされています。


母子感染(垂直感染)は初感染の場合生じやすく、再発例ではわずかしか生じません。母体に性器ヘルペスを認める場合の分娩時には、帝王切開による娩出が勧められます。

女性の性器ヘルペス感染症の治療と予防

抗ウイルス薬(アシクロビル、パラシクロビル、ビダラビン)の投与によって行われます。しかし、潜伏感染したヘルペスウイルスは抗ウイルス薬が効かず、一応治癒しても再発が繰り返します。


初感染の場合、軽症、中等症の場合は内服で、重症および免疫不全の場合には点滴による投与を行います。再発型の場合、軽症の場合抗ウイルス薬軟膏の塗布また貼付で行われる場合もありますが、それ以外は内服による投与を行います。一方、妊婦に性器ヘルペスが認められた場合、母子感染を防ぐため帝王切開での分娩が行われます。


男性同様、潜伏感染したヘルペスウイルスは抗ウイルス薬が効かず、一応治癒しても再発を繰り返します。したがって、再発抑制のための継続投薬すなわち抑制療法が行われます。

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