性病・性感染症(STD)の全て

HIV感染症

HIV01

HIV 感染症の進行

HIV感染症はその疾患病期により、HIV初感染、慢性感染期、AIDS期に分けられます。大部分のHIV感染者は、発症後10-15年で致死的免疫不全状態すなわちAIDS(後天性免疫不全症候群)に至ります。

HIV初感染

初感染では、半数以上に自覚症状があり、発熱、リンパ節腫脹、咽頭炎、発疹、筋肉痛・関節痛などがみられ、さらに下痢、頭痛、吐き気、嘔吐、肝脾腫、体重減少、口腔白苔、神経症状が認められます。診断はHIV抗体検査では陰性または保留であり、血漿HIV RNAの検出によりなされます。症状からは通常の感冒として見逃される場合も多いですが、重篤な症状を呈する場合も、あり診断は重要です。

以上の様な症状が見られる方は早めの検査をオススメします。 HIV検査キット では、誰にも知られず、ご自宅で簡単に検査でき、約1週間位で結果速報があなたのeメールに届きます。

慢性感染期

慢性感染期は、初期には免疫状態は保たれており自覚症状はありませんが、免疫能が徐々に破綻して行きます。それに伴い症状が現れるため、慢性感染期は、無症候期と症候期(口腔および膣カンジダ症、子宮頸部異形成、子宮頸癌、1ヶ月以上続く発熱・下痢など)に分けることもあります。この時期には帯状疱疹も問題になります。

AIDS期の症状

免疫能破綻が進行するとそれが顕在化し、重篤な日和見感染症(健康な状態では害にならないような病原性の弱い微生物が、感染者の免疫力の低下によって引き起こす病気)が合併し、いわゆるAIDS(後天性免疫不全症候群)となります。症状は合併した日和見感染症の症状が中心となります。AIDS状態では治療しないと2年前後で死に至ります。


日和見感染がなければ、抗HIV療法は非常に効果的ですが、重篤な日和見感染を発症している場合には、抗HIV療法を試みても間に合わないことが多くあります。日和見感染症の治療も基本的に抗HIV療法で行われますが、抗HIV療法を開始することにより免疫能が急速に回復することにより感染症が悪化することがあります(免疫再構築症候群)。

AIDS期の予防

HIV感染症の感染経路の基本は性的接触ですが、血液を介した感染も認められます。また通常の日常生活の範囲では感染が成立することはありません。性交渉による感染成立の頻度は膣性交の場合、男性から女性が0.1-0.2%、女性から男性が0.03-0.09%、肛門性交による男性間が0.1-3%で、またオーラルセックスによる感染は非常に少ないと考えられていますが、可能性は報告されています。


HIV感染症は、通常の日常生活の範囲では感染が成立することはなく、性的接触が重要な感染経路になります。そのためより安全な性的活動に関する教育・自覚が必要です。性的接触に関して予防に有効だと考えられることとしては、性的関係のパートナーを減らす、正確で持続的なコンドーム (女性用も御座います。)の使用、他の性病・性感染症の迅速な検査・治療などがあげられます。

HIV感染症の診断

HIV感染症の診断は基本的に抗体検査で行われます。抗体検査はスクリーニング検査と確認検査があり、スクリーニング検査はELISA法、確認検査はウエスタンブロット法が基本です。またHIV初感染時には抗体検査は陰性になることが多いため、血漿HIV RNA 量測定も有用です。血漿HIV RNA量はその他病勢判定、抗HIV療法の効果判定として重要です。またCD4陽性Tリンパ球数(CD4数)も病状の進行度合いを把握するための指標として用いられます。


HIV検査キット では、誰にも知られず、ご自宅で簡単に検査でき、約1週間位で結果速報があなたのeメールに届きます。

HIV感染症の垂直感染

HIVの垂直感染は、経胎盤感染、経産道感染、経母乳感染の全ての経路で起きる可能性があります。


垂直感染は母体血漿中のHIV-RNA量と関係があり、1000コピー/mL以下の場合には垂直感染は認められません。HIVの垂直感染の防止のために、妊娠中からの抗HIV薬の内服、帝王切開術による分娩、新生児への抗HIV薬の投与、母乳保育の禁止などが行われます。

CD4陽性Tリンパ球数

CD4陽性Tリンパ球数(CD4数)は、HIV感染症の進行度を反映します。CD4数の正常値は700-1300/μLですが、この値の減少度合いにより、早期HIV感染症(または長期未発症者、ほとんど免疫機能の低下のない状態)、中期HIV感染症(徐々に免疫機能の低下が進行する)、後期HIV感染症(明確な免疫機能の破綻が存在する状態)、末期HIV感染症の3つの病期に分けられます。


HIV治療は、抗HIV薬の内服によって行われます(抗HIV療法)。
抗HIV薬は次のように分類されます。

1)核酸類似体逆転写酵素阻害剤(NRTI)

2)非核酸類似体逆転写酵素阻害剤(NNRTI)

3)プロテアーゼ阻害剤(PI)

4)吸着阻害剤

抗HIV療法は多剤併用が基本で、これらの薬剤を組み合わせて処方されます。抗HIV薬は、ウイルスの増殖を抑制するのみで根絶できないため、抗HIV 療法は「免疫能を回復し、重篤なHIV・日和見疾患合併の可能性を抑え、制限の少ない日常生活を継続する」ということが目的となります。治療失敗の最大原因は患者の内服率の低下で、指示された内服を完全に行うことが抗HIV療法には重要です。

Copyright (C) 2006 Academia Japan, Inc. All Rights Reserved.